改訂版01魔術師〜未熟さを乗り越え、まずは行動!マヤの挑戦編〜

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ある晴れた午後、マヤは明るい笑顔を浮かべて先生のもとにやってきた。

「マヤ、先日こんなこと言ってたわよね。

『副業でブログを作って、アフィリエイトで月5万円の収入を目指します!』って。

その後、どうなったの?」
先生が机の上から視線を上げて尋ねると、マヤは胸を張って自信満々に答えた。

「ふふふっ。先生、実は私、ブログ収入を得るためにカラーコーディネーターの資格を勉強中なんですよ!」
先生は一瞬ぽかんとし、眉をひそめた。

「えっ?どういうこと?」

マヤは得意げに説明を始めた。
「デザインスキルを上げるために、カラーコーディネーターの資格で勉強しているんです!まずは二級を取る予定です!」

先生は少し困った顔で聞いた。
「えーっと……。それで、ブログのためのドメイン取得とかは?サーバーの設定とか、どうしてるの?」
マヤは首をかしげて答えた。

「それはまだよくわからないので、まずは知っているところから一歩ずつやってます!」
先生は深いため息をつき、デスクの引き出しから一枚の白いカードを取り出した。
「ここに何も描かれていないカードがあります。タネも仕掛けもなし。そして……これをペンでコンコンと叩くと……?」
先生がカードをペンで軽く叩くと、マヤの目が輝いた。
「はい、めくってみて。」
マヤがカードをめくると、そこには美しい魔術師のイラストが描かれていた。
「えーっ!?あ、魔術師のカード!先生、タロットだけじゃなくてマジックもできるんですか?さすが多才ですね!」
先生は微笑みながら尋ねた。
「マヤ。魔術師のカードの正位置と逆位置の意味、わかる?」
マヤは少し考えてから答えた。
「正位置は新しいスタートとか創造力を表していて、逆位置だと未熟さとか無計画を意味しますよね?」
先生はうなずき、優しく言った。
「そうね。何でもやってみるのはいいことだけど、『副業でお金を稼ぎたい』っていう目標があるのに、そのための手段が『資格取得』になっちゃダメでしょ?」
マヤは少しうつむきながら反論した。
「う……でも、この資格って大手企業が主催してるんですよ。」
先生は穏やかに問い返した。
「大手だから何?確かに、士業みたいな仕事は資格が必要だけど、そうじゃないなら他にやるべきことがあるはずよ。」
マヤは肩を落としつつ、ぽつりとつぶやいた。
「え〜……資格を取れば信頼されて、仕事にも活かせると思ったんだけど……。」
先生は優しく微笑み、問いかけた。
「じゃあ、実際にあなたが会った営業マンの資格を見て『この人に決めた!』って思ったこと、ある?」
マヤは首を横に振った。
「ないです……。どちらかというと人柄とか話し方で選んでますね。」
先生は頷いてアドバイスした。
「そうでしょう?だから、目的に直接関係ない資格を勉強するのは一旦やめておいたほうがいいわ。もちろん、趣味でやるなら止めないけど。あと、自己投資も金額を決めてね。目標とする稼ぎ方で、1年以内に自己投資の費用を回収できなければ、やめておくのが無難よ。」
マヤは驚いた顔で言った。
「えっ、20万円の高額コンサルを受けようと思ってたんですけど、やっぱりやめた方がいいかな……。」
先生は目を見開き、声を張り上げた。
「そんなの絶対にやめなさい!無駄遣いよ!」
その後、先生は肩をすくめて少し呆れた様子で言った。
「まったく……。しょうがないわね。じゃあ、ブログの立ち上げについて少し教えてあげるわ。」
マヤは飛び上がらんばかりに喜んだ。
「やったー!先生、ありがとうございます!」
先生は微笑みながらパソコンを差し出した。
「まずはドメイン取得から始めましょう。」
マヤは真剣な表情でパソコンに向き直った。
「はい!よろしくお願いします!」
二人は並んで座り、ブログの基本から学び始めた。窓の外では夕日が美しく輝き、マヤの新しい一歩をそっと後押ししていた。

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