ある晴れた午後、マヤは明るい笑顔で先生のもとを訪れた。
「マヤ、あなた先日こう言ってたわね。
『副業で自分のブログを作って、アフィリエイトで月5万円の収入を目指しますっ!』って。
その件、どうなったの?」
先生が机の上の書類から顔を上げて尋ねると、マヤは得意げに胸を張った。
「ふっふっふっ。
先生、今の私はブログ収入を得るために、カラーコーディネーターの資格を勉強中なのです!!!」
先生は一瞬きょとんとして眉をひそめた。
「???どういうこと?」
マヤは自信満々に説明を始めた。
「デザインスキル向上のためにカラーコーディネーターの勉強を通じてデザインを学んでいるんですよ!
まずはカラーコーディネーター二級を取る予定です!」
先生は少し困惑した様子で続けた。
「えーっと…。
ブログのためのドメイン取得はした?
サーバーは?どれにしたの?」
マヤは首をかしげて答えた。
「よくわからないので、わかるところから一歩ずつ勉強中なんです。」
先生は深いため息をつき、デスクの引き出しから一枚の白いカードを取り出した。
「ここに何も描かれていない白いカードがあります。
タネも仕掛けもありません。
そして…これをペンでコンコンと叩くと…?」
先生がカードをペンで軽く叩くと、マヤは目を輝かせた。
「はい。めくってみて。」
マヤがカードをめくると、そこには美しい魔術師のイラストが描かれていた。
「えーっ?あっ、魔術師のイラストが描かれたカードになりました!
先生、タロットだけでなくマジックまでできるんですか?多才ですね!」
先生は微笑みながら問いかけた。
「マヤ。魔術師のカードの正位置と逆位置の意味を言ってみなさい。」
マヤは少し考えてから答えた。
「魔術師のカードは、正位置では新しいスタートや創造的な力を意味し、逆位置では未熟さや無計画な行動を象徴します。」
先生はうなずきながら言った。
「人生の幅を広げるためになんでもやってみる事はいい事だけれど、『副業でお金を稼ぎたい』という目標があるのに、そのための手段が『資格を取得する』になってはダメでしょう。」
マヤは少しうつむきながら反論した。
「う…でも先生、この資格は大手の企業が主催しているんですよ。」
先生は穏やかな声で問いただした。
「大手だからなに?確かに、士業と呼ばれる仕事なら、資格を取らなきゃ始まらないわよ。
でもそうじゃないなら、資格を取る前にやる事があるでしょう。」
マヤは肩を落としながらつぶやいた。
「え〜資格を取得したら信頼されて、仕事にも活かせると思ったんですけど…。」
先生は優しく微笑んで質問した。
「じゃあ実際、あなたが会った営業マンの資格で『この人に決めた!』って思ったことある?」
マヤは首を横に振った。
「ないですぅ…。人柄とか、話し方とか、そのあたりを見てますね。」
先生は頷きながら助言した。
「そうでしょう。じゃあ目的に直接関係のない資格を勉強するのはやめておきなさい。
もちろん、趣味なら止めないけどね。
あと、自己投資も金額を決めておいた方がいいわ。
目標としているお金の稼ぎ方で、1年以内に自己投資の費用を回収できないようならやめといた方が良いでしょうね。」
マヤは驚いた表情で言った。
「20万円の高額コンサルを受けようと思ってたんですけど、やっぱりやめときます…。」
先生は目を大きく見開いて叫んだ。
「あなた、そんなの受けようとしてたの⁈
絶対やめときなさい!!」
その後、先生はやれやれと肩をすくめ、やや呆れた表情で言った。
「まったく、しょうがないわね。ブログの立ち上げについて少しレクチャーしてあげる。」
マヤは喜びのあまり跳び上がった。
「やったー!先生、ありがとうございます!」
先生は微笑みながらマヤにパソコンを差し出した。「まずはドメインの取得から始めましょうか。」
マヤはパソコンに向かって真剣な表情を見せた。「はい!よろしくお願いします!」
二人は並んで座り、ブログの基本から学び始めた。
窓の外では夕日が美しく輝き、マヤの新たな一歩を静かに照らしていた。

宅地建物取引士(宅建)、証券外務員一種、ファイナンシャルプランナー(FP)2級、簿記検定に合格し、17年以上にわたる資産運用の経験を持つ。
資産運用の経験を通じて、リーマンショックで一時的に資産を半減させるも、その後着実に資産を回復・増加させ、現在は運用資産を1000万円以上増加させた。
国内外の個別株、投資信託、ETF、国内外の債権、仮想通貨、クラウドファンディングなど、多岐にわたる投資商品を扱い、リスクを分散しながら安定した成果を上げている。
投資に加えて、複数の副業を通じて収益を得ており、読者にとって参考になる情報を提供する予定。